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サーキュラーエコノミー 繊維リサイクル

2026.05.27

個人でできる服のリサイクル方法とは?身近なリユース・リサイクルを紹介 0

個人でできる服のリサイクル方法とは?身近なリユース・リサイクルを紹介

目次

    皆さんは、不要になった衣服をどのように手放していますか?2024年に環境省が発表したデータによると、手放された衣服のうちの約7割は「焼却・埋め立て」で処分されています。燃やす・埋め立てのプロセスにおいては、メタンや二酸化炭素等の地球温暖化ガスが発生してしまいますが、我々の生活において「持っている衣服を手放すこと」を避けるのは難しいともいえます。

    (参照:環境省「衣類の資源循環システム構築に向けた現状 p.5」)

    そこで今回は、衣服の処理に伴う環境負荷を少しでも軽減するため、私たちが取り入れやすい、身近な「リユース・リサイクル」についてご紹介します。また、衣服の製造や廃棄に伴う環境への影響についても分かりやすく説明します。

    どれくらいの服が廃棄・リサイクルされている?

    近年はファストファッションの流行によって、衣服1枚あたりの価格が低下傾向にあり、手軽に衣服を買えるようになりました。一方で、簡単に衣服を購入できることは「購入~手放すまでのサイクル」を加速させることにも繋がります。

    ではこのような状況のなか、衣服はどのくらいの割合で「廃棄」、もしくは「リサイクル・リユース」されているのでしょうか。

    手放される服の約70%がゴミに

    衣服を手放す際の手段として最も多いものは、「可燃ゴミ・不燃ゴミとしての廃棄」です。

    環境省が2024年に作成したデータによると、家庭から手放される衣服の総量は年間で約75万トン、そのうちの約60~70%がゴミとしてそのまま廃棄されています。リユース(再着用)・リサイクル(再資源化)されているものもありますが、その割合は30~40%程度で、そのほかの衣服はゴミとして焼却、もしくは埋め立てられている現状があります。

    家庭から排出され焼却・埋め立て処分される衣服は、年間約51万トンにのぼります。1日あたりの数量に換算すると平均で約1,400トン、これは大型トラック140台分もの量に相当します。

    リサイクル・リユースされる衣服は全体の33%程度

    廃棄以外にリサイクル・リユースといった取り組みもおこなわれていますが、家庭から手放された衣服が有効活用されている割合は約33%です(リサイクル・リユースの合計)。

    • 再販売や海外輸出などによって再利用(リユース)されるもの:約12%
    • 再資源化(リサイクル)されているもの:約21%

    (参照:環境省「衣類の資源循環システム構築に向けた現状 p.5」)

    上記のように、リサイクルされている衣服は全体の約3割程度であることも明らかになっています。

    【廃棄だけじゃない】衣服が環境に与える負荷

    前章で示したように、手放された衣服の大半は有効活用されずにゴミとして捨てられていますが、衣服が環境に与える悪影響は「廃棄時」だけではありません。

    CO₂の多くは「製造段階」で排出

    まず、衣服の製造から流通、そして廃棄に至るまでに排出されるCO₂量を見てみましょう。(単位:千トン)

    原材料調達2,341
    紡績415
    染色988
    裁断・裁縫10
    輸送810
    販売773
    利用3,195
    廃棄1,172

    (出典:株式会社日本総合研究所「環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務 -『ファッションと環境』調査結果 – 」2020,3)

    特に注目したい点は、原材料調達〜裁断・縫製までの4工程です(水色部分)。これらの工程におけるCO₂排出量は全体の約4割を占め、廃棄時に生じる約3倍のCO₂を排出していることが分かります。そのため、 CO₂の多くは「製造段階」で排出されているといえるでしょう。

    服を製造するためには大量の水が必要

    衣服の製造には多くの水量が必要です。衣服を1枚製造するためには平均で2,368リットル(※500ミリリットルのペットボトル:約4,700本分)、なかでもジーンズは1本あたり約7,500リットル(※500ミリリットルのペットボトル:約15,000本分)もの水量が必要だといわれています。

    環境省「SUSTAINABLE FASHION」を参考に、サステナビリティハブ編集部で作成
    環境省「SUSTAINABLE FASHION」を参考に、サステナビリティハブ編集部で作成

    また、衣服の染色で生じる廃水も河川の水質汚染に影響を及ぼしており、衣服製造時の「水」にまつわる環境負荷を無視することは難しいといえそうです。

    (出典:株式会社日本総合研究所「環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務 -『ファッションと環境』調査結果 – 」2020,3 国際連合広報センター「国連、ファッションの流行を追うことの環境コストを「見える化」する活動を開始」2019,4)

    服の廃棄を減らすことは環境負荷を減らす一歩

    このように衣服の各過程における環境負荷を見ると、「廃棄」ではなく「製造」での環境負荷の方が大きいといえます。しかしその一方で、【大量生産→大量消費】のサイクルが拡大している現状を踏まえると、次のように考えることもできます。

    ゴミとして廃棄する予定だった衣服を有効活用に回し「廃棄量」を削減できれば、焼却や処分に伴うCO₂排出量の抑制はもちろん、新たに製造される衣服の需要は一定程度減退していきます。衣服製造におけるCO₂の排出量、水の消費量が抑えられるため、結果的に環境負荷の軽減に繋がるのです。

    トレンドの移り変わりの速さや、ファストファッションの流行により衣服の生産量が増加傾向であること、また消費者の私たちからは「製造」より「廃棄」にまつわるアクションを取り組む方が身近であることから、「どのように衣服を手放すか」をしっかり考えた上で行動を起こすことが重要でしょう。

    着なくなった服の有効的な活用方法【3R】

    ここからは、「捨てる」以外の衣服の有効的な活用方法を見ていきます。初めに、衣服の主な有効活用の方法である「リサイクル・リユース・リペア」の3つの概要をご紹介します。

    リサイクル:服を新たな資源として再利用

    リサイクルとは、「不要になった衣服を回収し、新たな資源として再利用すること」です。

    例えば、不要になった衣服や製造時に出る裁断くずを加工して綿状に戻し、糸の形に加工しなおして再利用したり、繊維として加工し新たにフェルトなどの別素材を作ったりする取り組みがおこなわれています。

    リユース:寄付や売却を行い、古着として再利用

    リユースとは、「一度以上使用したものを繰り返し使用すること」です。リサイクルとは異なり、原料に戻さずその製品のまま、または部品のままで再び使われるのが特長です。

    消費者が着なくなった衣服を古着として売る・寄付する方法以外に、企業が本来廃棄してしまう衣服のサンプルやデッドストックなどの素材から価値あるものを選び出し、展示・販売するケースなども見られます。特に近年は、フリマアプリが流行し、個人間での売買も活発なことから、「リユース」は身近で手軽な活用方法といえるでしょう。

    リペア:ほつれた箇所を修理して再利用

    リペアとは、「壊れた部品の交換やほつれ・破れのある箇所の修理をおこなって、再利用すること」です。

    消費者が個人でも取り組める方法ですが、近年は、企業が消費者のリペア依頼に応えるサービスを提供したり、使用済みの衣服を回収し、リペアによって生まれ変わらせた商品を販売したりする事例も生まれています。

    【具体例】個人で取り組める、服のリサイクル/リユース方法

    ここからは、個人でも取り組めるリサイクルやリユースについて、具体的な方法を4つご紹介します。

    方法1:販売店舗や自治体の回収ボックスを利用する

    近年は自治体や企業が、個人による古着の持ち込みのために回収ボックスを設けたり、アパレルブランドが店頭にボックスを設け、回収サービスを展開しています。
    中にはリユース・リサイクルへの協力のお礼としてクーポンなどがもらえるケースも存在しています。

    実施企業例
    UNIQLO / GU / PLST:ファーストリテイリング
    無印良品:良品計画
    H&M:エイチ・アンド・エム ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン
    patagonia:パタゴニア・インターナショナル・インク日本支社    など

    方法2:リサイクルショップやフリマアプリなどを利用する

    2つ目は、使用済みの衣服をリサイクルショップに持って行き買取依頼をしたり、フリマアプリを活用したりするなど、「自分で売却する方法」です。

    方法1に比べると時間や手間がかかりますが、最近では、衣服などを段ボールに詰めて業者に送るだけで査定や買取のサービスが受けられる「宅配買取サービス」も普及しており、個人がリユース・リサイクルに取り組むことのハードルは下がりつつあるといえます。

    方法3:「資源ごみ」として分別する

    3つ目は、不要になった衣服をそのまま可燃ゴミ・不燃ゴミとして捨てるのではなく、「資源ごみ」として出す方法です。

    数年前のトレンドの衣服やボロボロになるまで着続けた衣服は、残念ながらリユース/リサイクルができない場合もあります。しかし、回収された「資源ごみ」は、繊維問屋や輸出業者などにわたり中古衣料として活用されたり、加工業者にわたって機械類の掃除に用いる「ウエス」などに加工され(※回収方法や回収した衣服の活用方法は自治体によって異なります)、捨てる側は、間接的に環境負荷軽減に貢献できます。

    方法4:周囲の人に譲ったり、掃除に活用したりする

    そのほか、「おさがり」として家族や友人などに譲ったり、Tシャツなどを雑巾に仕立て直して掃除に活用したりすることも有効です。また古布として雑巾に活用することもでき、購入当初とは違った目的で使用することで「リユース」が可能です。

    服のリサイクルに取り組むブランド・事業者

    では最後に、各企業やブランドがどのようにリユース・リサイクルに取り組んでいるのか、具体的な事例をご紹介します。

    各企業・ブランドのリユース・リサイクル一覧表
    各企業・ブランドのリユース・リサイクル一覧表

    『するーぷ』:JGC Digital株式会社

    「するーぷ」は、専用の回収ボックスに古着を入れると「するーぷポイント」を獲得できる、衣類回収サービスです。
    今まで廃棄されてしまっていた衣類を回収し、リユース&リサイクル によって再生化することで資源循環モデルの構築を目指しています。

    溜まった「するーぷポイント」は、回収ボックスが設置されている商業施設や提携店舗のクーポンなどになるほか、国内外の子どもたちへの支援活動や災害義援金などの寄付に充てることも可能です。
    スマートフォンアプリで2次元バーコードを読み取って解錠し、投入した衣服の重さに応じてポイントがもらえる仕組みとなっています。

    『UNIQLO・GU・PLST』:ファーストリテイリング

    「UNIQLO」や「GU」を運営するファーストリテイリングでは、「RE.UNIQLO」というUNIQLO・GU・PLSTで販売した全商品をリユース・リサイクルする取り組みを展開しています。

    具体的には、店舗で回収した衣服を、難民などに届けてリユースし、リユースできないものは、固形燃料や自動車用の防音材へとリサイクルしています。さらには回収後のダウン商品からダウン・フェザーを取り出し、そこから新たなダウンを作るなど、“服から服へのリサイクル”にも積極的に取り組んでいます。

    また、実店舗「RE.UNIQLO STUDIO」では、リユース・リサイクルのほか、穴やほつれなどの傷んだ箇所を安価にリペアできるサービスなども行っています。

    『無印良品』:良品計画

    良品計画は、循環型社会の実現に寄与するべく、リユースやリサイクルなどによる廃棄物の発生抑制に取り組むことを目標としています。

    具体的には、店舗で衣料品やタオル類などを回収し(※無印良品の商品)、リユースできる状態のものは藍色や黒などに染め直した『染めなおした服』として、また、衣服同士をつないでリメイクした『つながる服』などとして販売しています。さらに、リユースできないものは商品の原料としてリサイクルすることも実践しています。

    『H&M』:エイチ・アンド・エム ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン

    エイチ・アンド・エム ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン株式会社では、各店舗に回収ボックスを設け、ブランドや状態を問わず古着を回収しています。回収された衣服は幾つかのカテゴリに分類され、まだ着用できるものは古着として世界で販売、着用できないものはリメイクや清掃用品への作り替えをおこない再利用、そのほかは裁断して断熱材などの素材としてリサイクルされています。

    『patagonia』:パタゴニア・インターナショナル・インク日本支社

    パタゴニア・インターナショナル・インクは、天然資源をもとに作られる「バージン原料」からの脱却を目標として掲げ、「100%再生可能のリサイクル済原料」への切り替えに挑戦しています。
    パタゴニアは2025年までに、オーガニックコットンやリサイクル・ポリエステルなどの環境に望ましい素材のみを使用するという目標を定めました。
    その結果、2025年秋シーズンの製品では、製品ラインのリサイクル素材の使用率は99%であると発表されています。

    消費者から回収した衣服のリサイクルや、工場から回収される端切れや糸くずといった廃棄物のリサイクルにも積極的に取り組んでいます。

    服のリサイクルに関する課題とこれからの取り組み

    近年は、企業や自治体、そして私たち個人でリユース・リサイクル推進に向けた取り組みが進められつつあります。

    しかし、衣服のリユース・リサイクルを拡大するにあたっては「リサイクルを見越した製品設計がなされていない商品(素材ごとに分別しづらい構造の商品)が多く流通していること」や、「古紙やペットボトルなどの資源とくらべ、衣服を回収しリサイクルする仕組みが成熟していないこと」といった課題も残されています。

    (※繊維産業の持続可能な未来をつなぐため、日揮ホールディングスと東京大学、帝人などと共に設立したワーキンググループを率いていらっしゃる東京大学の平尾教授に、「循環型社会作りにおける衣服特有の課題」についてインタビュー形式でお話を伺った連載記事も合わせてご覧ください。(全4回))

    まとめ

    今回は、私たちが取り入れやすい、身近な「リユース・リサイクル」について、また、衣服の製造や廃棄に伴う環境への影響についてもご紹介しました。皆さまの参考になれば幸いです。

    サステナビリティハブ編集部

    サステナビリティ ハブは、日揮ホールディングス株式会社が運営する、企業のサステナビリティ活動を支援するオウンドメディアです。SDGsの達成に不可欠なソリューション、国内外の先進的な事例、サステナビリティ経営のヒントなど、課題解決に繋がる多様な情報を発信しています。長年、プラントエンジニアリングや社会インフラ構築に携わってきた日揮グループの知見を活かし、専門性を持ったメンバーが信頼性の高いコンテンツをお届けします。

    サステナビリティハブ編集部

    サステナビリティに関する情報を、日本から世界に発信していきます。

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