IDEA気づき

安心社会の実現へ「ヒト&モノの位置情報管理システム」の活用を考える

事例 日揮グループの紹介
目次

建設現場で求められる、効率と安全の両立。

しかし、緊急度の高い仕事に対応したり、日々の業務をこなすことで精一杯だったり……。特に、昨今はSDGsの目標から現場も「働きがい」と「経済成長」の両立が求められています。理想を高く持ちつつも、なかなか目標の実現には辿り着いていないと感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、建設現場の課題解決策として開発された「FieldOpt®」が、似た課題を抱える別の「現場」でも、安心安全な社会の実現に向けて活用できる可能性をご紹介します。

建設現場で活用されるFieldOpt®とは

工事現場で働く男性

「FieldOpt®」とは、無線センサーネットワークを用いて、ヒト&モノの位置情報を管理するシステムのことです。作業員や建機に付与したビーコンやIDカードの情報を、作業管理者のタブレット型端末に集約。アンテナ設置やケーブル敷設など、面倒な初期工事も必要なく、ヒトやモノの位置や挙動を自動で把握・記録・管理できます。

さらに熱中症の危険性や転倒落下などもリアルタイムに検知し、現場の安全管理を可視化します。

FieldOpt®を開発した理由とは

実は建設現場では、作業時間全体の約3分の1が何かを「待つ」時間だった…ということも珍しくありません。その理由は、建設業界全体の課題である「低い労働生産性」にあると考えられています。建設現場では、多くのヒトとモノ(建機や資材)を適切に配備・管理することが難しく、作業の手待ち時間が発生することがあり、手待ち時間中は仕事を進められず、建設現場の生産性を下げているため、原因の特定が求められています。

こうした現場の課題から、FieldOpt®の開発が始まったのです。

ヒト&モノの位置情報管理システム「FieldOpt®」

FieldOpt イメージ図

「作業手待ち」の原因を明らかにするためには、ヒトとモノが適切に動いているかを位置情報をもとに「時系列」で分析する必要があります。現在、世の中には位置情報を管理できるさまざまな技術や仕組みがありますが、FieldOpt®システムには以下の2つの特長があります。

1.導入のしやすさ

FieldOpt®は、ビーコンの配布とスマートフォンアプリのダウンロードだけで導入できます。アンテナ設置やケーブル敷設など、面倒な初期工事が必要ないため、初期コストを抑えつつ、導入が可能です。ビーコンやアプリの配布だけで導入できるため、利用終了時の機材撤去作業も必要なし。期間限定(=工事中)での利用も可能です。 

2.運用の負担の軽減

位置情報の精度を上げるには、固定アンテナ機材の設置数を増やす必要がありますが、その分、機材を運用する手間がかかります。また、GPSトラッカーを全員に配布すれば位置情報は取得できますが、消費電力が大きいことから日々の充電管理が必要で、現場の負担に。

しかしFieldOpt®は、運用の手間を減らしたい現場のニーズに応えるため、無充電・メンテナンスフリーでヒト&モノの位置情報を自動で把握・記録・管理することができます。取得した位置情報を可視化し、リソースの分布と進捗を把握することで、これまで以上に効率的な現場管理を実現できるでしょう。

従業員の安全管理も可能に

FieldOpt®の活用は、建設現場の生産性向上だけにとどまりません。例えば、屋外の作業時間に応じて熱中症予防に活用したり、転倒・落下予兆の検知や避難時の逃げ遅れを防止したりと作業員の安全管理に役立ちます。安全に効率良く働くサポートを通じ、SDGsの目標「8. 働きがいも経済成長も」の実現に貢献します。

安心社会の実現に向け、「FieldOpt®」が活躍する新たな場とは

スマートフォンで情報を確認する人

建設現場の課題と向き合って改善を繰り返してきた位置情報管理システム「FiledOpt®」ですが、導入のしやすさ、運用の負担の軽減、安全管理といった機能は多種多様な「現場」の課題にフィットし、安心安全な社会の実現に貢献できる可能性を秘めています。

保育・介護施設での安全管理も

2021年10月に福岡県で起きた、保育施設送迎バスに男児が残され熱中症で死亡した事故から、保育施設での安全管理の難しさが再認識されています。また、介護施設の人員不足は深刻な問題の1つでもあります。2021年7月に厚生労働省が公表した「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人の介護職員が必要になるといわれています。

日本の高齢化にともない増え続けていく「高齢者」。その一方で、なかなか人員が確保できない「介護職員」。FieldOpt®は、夏場の熱中症予防や転倒・落下予兆の検知、避難時の逃げ遅れ防止など介護職員の仕事をサポートできる可能性があります。さらに保育施設や介護施設の現場に活用することで、安心社会の実現に貢献できればと思います。

(参照:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)

まとめ

工場群を眼前にタブレットで確認する現場スタッフ

FieldOpt®は導入ハードルが低く、手間のかからない運用から、建設現場の抱える課題をスムーズに解決するシステムです。生産性の向上だけでなく従業員の安全管理も実現することができるため、 SDGsの目標「8. 働きがいも経済成長も」の実現にも貢献します。そのほかは保育や介護など「建設現場以外」にも活用することで、安全管理のサポートが可能に。安心社会を目指し、 SDGsの目標「11.住み続けられるまちづくりを」の実現にも貢献できるでしょう。

※詳細をご覧になりたい場合は以下をご確認ください。
FieldOpt(無線通信デバイスを活用したプロジェクト管理システム)

サステナビリティハブ編集部
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