• HOME
  • コラム
  • 【わたしの仕事と日常 #08】若手社員座談会(仕事編)
インタビュー わたしの仕事と日常

2025.08.07

【わたしの仕事と日常 #08】若手社員座談会(仕事編)

【わたしの仕事と日常 #08】若手社員座談会(仕事編)

目次

    日揮ホールディングス(以下、日揮HD)は、サステナビリティ関連の新事業の創造を担うため、2019年10月にサステナビリティ協創部(現サステナビリティ協創オフィス:SCO)を新設し、様々なサステナブル分野の取り組みをおこなっています。今回は、SCOで働く若手社員6人に、入社理由や仕事のやりがい、社会課題への関わり、プライベートの過ごし方まで、幅広く語っていただきました。前例のない事業開発に日々奮闘する姿を通して、SCOを身近に感じていただけるのではないでしょうか。(司会:SCO サステナビリティ協創ユニット 森田光雄)

    メンバー紹介

    ――今日は、入社2〜4年目の若手社員の皆さんに集まっていただきました。SCOでの仕事やプライベートの過ごし方について、ざっくばらんに語っていただければと思います。まずは簡単に、自己紹介をお願いします。

    天津:天津です。入社4年目で、現在は熱供給事業のプログラムマネージャーとして働いています。

    石崎:入社3年目の石崎です。国内バイオメタン環境価値創出事業チームに所属しています。

    岡田:同じく入社3年目の岡田です。海外バイオメタン事業に携わっています。

    小川:同じく3年目の小川です。ケミカルリサイクルチームで、海外廃プラスチック油化事業に携わっています。

    グレン:グレンです。入社3年目で、バイオものづくりチームのプロセスエンジニアをしています。

    北郷:北郷です。入社2年目で、マレーシアのCCS*事業に携わっています。

    *CCS: Carbon dioxide Capture & Storageの略で、 CO2を回収し地下に貯留する技術のこと

    ――ありがとうございます。バイオ、ケミカルリサイクル、熱供給、CCSと、皆さん幅広い分野に携わっていて、SCOの多様性を感じますね。

    入社理由と現在の仕事

    ――皆さんが日揮HDへの入社を希望した理由を教えてください。一番社歴の長い天津さんから、お願いします。

    天津:海外で働きたかったことと、インフラ・エネルギーといった社会を支える仕事に関心があったのが理由です。実際には日揮HDの内定が一番早くて、他社を見る暇もなかったですが(笑)。

    ――なるほど、社会を支えるインフラ系の仕事に興味があったのですね。石崎さんはどうですか。

    石崎:私も海外志向がありました。プラントエンジニアリング業界は、砂漠やジャングルなど、過酷な環境に行くこともあると聞き、タフな仕事で自分を鍛えたいと思い、この業界に絞って就職活動をしました。

    ――ハードな環境に身を置くことで成長できると考えたわけですね。他に「こんな理由で入社しました」という人はいますか。

    北郷:僕はSCOでCCS事業をやりたいと思って入社しました。実際に今、その業務に関われていて、とても楽しく仕事ができています。

    ――もともとCCS事業を希望していて、まさにその仕事に携わっているのはすごいことですね。グレンさんはどうですか?

    グレン:私は大学時代の研究が廃プラスチックに関わる内容だったので、配属されたバイオものづくりチームでの仕事は直接これまでの研究とリンクしているわけではありません。ですが、今はこのチームでの仕事に満足していますし、やりがいも感じています。

    ――経験のない分野への配属だったけれど、やっていくうちに楽しくなってきたということで、良かったです。岡田さんはどんな理由でしたか。

    岡田:私は、就職活動ではグローバルを軸に、エンジニアリングのほかにも総合商社も見ていたので、エンジニアリングと事業開発の両方に携われる今の環境は寧ろ希望を超えてしまっていて、非常に運が良かったと思っています。

    ――なるほど。エンジニアリング会社で事業開発もできるという環境は、珍しいかもしれませんね。小川さんはどうですか。

    小川:プラントエンジニアリングという職種で、「宇宙×化学の分野で大きなものづくりをしてみたい」と考えていたことがひとつ。そして、日揮グループの社員の方と実際に話してみると熱量溢れる面白い方がとても多く、そんな人たちと働いてみたいと思ったのも大きな理由のひとつでした。宇宙も含め新しいことにチャレンジしたいと面接時に伝えていたところ、SCOに配属いただき、幅広い仕事に関われることに面白さを感じています。 

    ――確かにSCOは携わる業務の幅が広いですよね。

    石崎:私も今は事業性検討や社外のステークホルダーと折衝をしながらプロジェクトを進める仕事がとても楽しくて、良い部署に配属してもらえたなと思っています。

    ――社外の幅広いジャンルの人と話す機会が多いのは、この部署の特長かもしれませんね。

    学生時代の学びと業務との関連性は?

    ――学生時代の研究や専攻が、今の業務にどう活かされているかについても教えてください。グレンさんからお願いします。

    グレン:私は今、バイオものづくりのプロセス開発の中で、菌体から目的物を抽出する工程を担当しています。先ほどお話したとおり、大学では廃プラスチックに関する研究をしていたので、今の業務に直接的に役立っているというわけではありません。ですが、大学では分析機器を使っていたので、その経験は今にいきていると感じますね。

    ――なるほど、間接的に役に立っている感じでしょうか。石崎さんはどうですか。

    石崎:私も同様です。私が携わっているバイオメタンという分野は、大学での専攻と関係がなく、技術的な知識は直接使うことはありません。ですが、粘り強さや根気といった面では、自分の性格や長所が発揮されていると感じます。

    ――自分の専門分野とは違う分野に行っても活躍する人が多いのは、うちの会社のひとつの特長ですよね。専門分野以外の知識を自分で勉強しながら身につけていくというのは、よくあることです。

    石崎:そうですね。そういう意味では、一から勉強してメタン発酵技術アドバイザーの資格も取得しました。

    ――それはすごいですね。岡田さんは、学生時代の学びで何か今の業務に役立っていることはありますか。

    岡田:私の大学時代の専門は、水産養殖だったので直接的な関係はないのですが、微生物を扱っていたこともあり、部分的に役立っている気がします。分析関係では、発酵の要素で水質パラメータの知識が必要になるのですが、そうした場面で学生時代の知識が意外と活かせるなと感じる場面が多いです。

    事業開発の面白さ・やりがい

    ――皆さんはSCOでそれぞれ事業開発に携わっていますが、事業開発の仕事の面白さは、どんなところにありますか?

    北郷:私が携わっているのは、日本で排出されたCO2をマレーシアに埋めるというCCSプロジェクトですが、二国間輸送を伴うCCSは世界的に見ても前例がほぼない分野なので、自分たちでゼロから型をつくっていく面白さがあります。私が大学で専攻していた資源工学は、卒業後に油層エンジニアや掘削エンジニアの方面に進むことが多いのですが、個人的にはビジネススキームを作る方に関心があったので、若いうちから事業開発に取り組める今の環境はとてもありがたいです。

    ――天津さんは自分でプログラムマネージャーをしていますが、どういった部分に仕事の面白さを感じますか。

    天津:自分で全てコントロールできる、自分がやりたいように事業を形作っていくことができるのが一番の醍醐味ですね。相手にとってもこちらにとっても利があるwin-winのパートナリングが組めた時や、お客様の心に届く提案ができた時は、事業開発をやっていて良かったなと実感しますし、大きなやりがいを感じます。

    ――SCOの業務は、日揮グループの屋台骨のEPCとはかなり違いますが、それについて何か感じていることはありますか。

    石崎:EPC*は型が確立されているので効率的に仕事が進みますが、SCOの事業開発は型がないからこそ、自分たちで道を切り拓いていく必要があります。それは苦しい道のりですが、面白いですね。

    *EPC:Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)の頭文字を取った略称で、プラントの設計、調達、建設を一貫しておこなう業務のこと

    北郷:私が携わっているCCS事業開発はEPCに全く関連がないと思っていたのですが、実際にはプロジェクトでEPCの知識が必要な場面も多く、その時はEPCをしている同期に教えてもらうこともあります。

    ――意外とEPCの知識が必要な場面って出てきますよね。SCOで仕事をしているうちにEPCのことを知りたくなったと言って、EPC関連部署にローテーションを希望した若手も過去にいましたよ

    岡田:私も一度はEPCを経験しておきたいという思いはあります。サプライチェーン全体を俯瞰して広い視点で事業を捉えられるのはSCOならではだと感じているので、今後EPCに携わることがあれば、SCOでの経験を活かして、EPC畑の人とはまた違う視点から物事を見られるのではないかと思っています。

    小川:サプライチェーンを俯瞰できる、ということに付け加えて、お客様と近い距離でやりとりしながら、技術検討ができる点もSCOならではだと思います。

    事業開発の難しさとは?

    ――事業開発を進めていく中で、やはり難しい局面もあると思います。どんな点で苦労していますか?

    天津:私が担当している熱供給事業の場合、電力調達や設備の実運用など当社が得意とするエンジニアリング以外の領域も含めて一連のバリューチェーンを構築していくのが一番難しい点です。当社単独では対応できない領域については、知見を持った外部のパートナーとの協業が不可欠になってきます。

    ――専門外の領域にも踏み込んでいく必要があるわけですね。グレンさんは、バイオものづくりの難しさはどういったところで感じますか。

    グレン:私は大学ではバイオの実験経験が少なかったので、最初は業務でおこなう生物の培養実験は苦労しました。入社後に大洗研究所に半年間いた時に研究所の方に色々と教えていただき今では慣れましたが、特にクリーンベンチでの作業や菌の取り扱いには慎重さが求められます。

    ――なるほど。他にも大洗研究所に行っていた人はいますか。

    小川:私も一時期、大洗研究所で、廃プラスチック油化の事業を検討中のお客様のために、ベンチスケールの装置を使って、実際の廃プラスチックを油に戻す実験をしていました。装置を見て触れて、圧力・温度の状態を意識しながらバルブ操作などのオペレーションを繰り返したことで、油化プロセスに対する理解が一気に深まりました。初めて油を回収した時は「本当に廃プラスチックから油ができた!」という感動もありましたね。今おこなっている油化の事業開発でも、装置の内部をイメージしながら、お客様に技術の説明を出来るようになったので、とても良い経験だったと思います。

    ――実際に機器に触れると、理解の深さが変わってくるというのはとてもよくわかります。

    まとめ

    今回の記事では、サステナビリティ協創オフィスの若手社員6人に、事業開発の内容や学生時代で学んだこととの関連性、業務の面白さ・難しさについて話していただきました。インタビュー後半では、事業を通じて社会課題の解決を目指すことについての想い、日揮HDに入ってからの印象の変化、プライベートの過ごし方などについて聞いていきます。

    サステナビリティ ハブ編集部

    サステナビリティ ハブ編集部

    サステナビリティに関する情報を、日本から世界に発信していきます。