IDEA気づき

プラントエンジニアリング業界でDXを推進!日揮グローバルでの働きがいを聞いてみた

インタビュー 働き方
目次

日揮グローバルでは、コア事業の EPC(Engineering:設計、Procurement:調達、Construction:建設)において、IT 技術を活用し、EPC 業務をより効率的に進める取り組みをおこなっています。EPC 業務の DX* をシームレスに進めることにより、納期遵守や採算性の向上、工事安全の確保につながります。また、技術革新やイノベーションによる生産性の向上や、働きがいの向上といった好循環も生まれています。

* DX:Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称で、デジタル技術を活用し新しい価値を創出すること

そこで今回は、日揮グローバルの新入社員が、海外プロジェクトで様々な経験を積んだ先輩社員(入社 7 年目)にインタビューする形で、DX 推進の中核を担う IT 系の業務の特徴や働きがい、海外駐在中の様子などを聞きました。就職活動を行っている方や、現在、転職活動をしている方には、日揮グローバルでの実際の仕事をより具体的にイメージしていただけるのではないでしょうか。

社員2人の2ショット

(写真左)余 明さん 2016 年入社 デジタルプロジェクトデリバリー(DPD)部

中国出身日本育ち。入社後は建設部に配属されアジア各国のプラント建設現場での建設管理に従事。各国の建設工事に携わる中でプロジェクト遂行におけるデータの重要性に関心を持ち、建設システム開発と運用の道へ。現在は DPD 部に転籍し、EPC の DX に向け、建設管理システムの開発を継続している。

(写真右)聞き手:尾澤 美紀さん 2022 年入社  IT マネジメント部*1

神奈川県出身。学生時代は、ロシア主導で行っている国際紫外線天文衛星 WSOUV 打ち上げ計画において系外惑星探査プロジェクトに携わっていた。入社後は、設計にかかわるパッケージシステム運用・開発を行う IT マネジメント部で客先に納品するデジタルツイン*2 環境の構築や 2DCAD を担当している。カフェ巡りとテニスが趣味。日揮テニス部に所属している。

*1 IT マネジメント部では設計に関わるシステムの運用、開発をおこなっている

*2 現実世界の環境から収集したデータを使い、既存の構造物を仮想空間に再構築したもの

現在の業務内容について

余さんインタビューカット1

――デジタルプロジェクトデリバリー(DPD)部ではどのような仕事をしていますか

私が所属するDPD部は、EPC遂行のDX化を目指し、設計・調達・建設の各フェーズのデータ統合・共通基盤の開発をおこなっています。そのなかで私は、プロジェクトの建設管理全体を統合管理するためのシステムの開発や改善を担当しています。

具体的に言うと、まず建設管理をするうえでおこなう様々な意思決定に必要な情報を「整理されたデータ」として効率よく“収集”します。次に、収集した情報を“蓄積”し、そこから「正しい意思決定に必要な情報を“可視化”するための統合システムづくり」をおこなっています。


――日揮の建設現場では昔からITが活用されていたのですか

日揮グローバルでは、私が入社する10年以上も前から自社開発したCMS(Construction Management System:建設管理システム)を各プロジェクトの現場に導入し、データに基づく意思決定をおこなっていました。

建設現場とITにおける密接なかかわりは、あまり知られていないかもしれません。しかし ITでの情報管理・データ管理は、日々多くのヒトや建機・材料が動き続けている巨大な建設工事を成功させるため、非常に重要なのです。

同時に、設計・調達から建設工事の完了まで、我々が追いかけなければならないデータ量は膨大です。今まではその一部を人間の手に頼ってきましたが、EPC遂行に必要なデータをさらに合理的に、効率よく「収集・蓄積・活用」できるプラットフォームを完成させることが、私たちDPD部の仕事というわけです。

仕事のやりがいや面白さを感じる瞬間

2人が向かい合って話している1

――システム開発の面白さを感じる瞬間を教えてください

日揮グローバルのシステム開発は、リリースがゴールではありません。開発したシステムをEPCプロジェクトに導入し、運用・効果を実証するところまで担当します。システムを使用する当事者として開発に携わることができるのは、コンサルやSIerとも違う、事業会社である日揮グローバルにおけるシステム開発ならではの醍醐味の1つです。

もちろん、自分が開発したシステムを”ユーザー”として使って初めて気付く改良点・アイディアもあり、その場合は、現場からシステムの修正改善をおこなうことができます。新しいシステムを実際に使ったうえで集まったデータを使い、工期の短縮やリスクの回避といった価値を創出できた時は、特にやりがいを感じます。


――反対に現場で、新しいシステムを導入する難しさを感じることはありますか

新しいシステムを導入する際には、従来のシステムを使い慣れている人たちから拒否反応を示されることも少なくありません。今まで慣れていたものを急に変えることは簡単ではないですよね。

しかし現場の人たち一人ひとりが抱えている問題や課題をこちら側で汲み取り、それが”新システムで解決できる”という証明を繰り返していけば、自然と新システムに賛同してくれる仲間が集まってきます。それが結果的に、新しいシステムの運用の「成功」へと繋がっていくと思います。


――海外でのプロジェクトが多いからこそ感じる仕事の面白さはありますか

日揮グローバルにおける海外での仕事は、プロジェクト・現場ごとに組織を立ち上げるので、1・2年で働く場所も組織も変わります。そのため、いつも新しい発見や新鮮さをもって仕事に取り組めることです。

数年間にわたるプロジェクトを共に遂行したメンバーとの間には、強い仲間意識や信頼感が生まれるので、プロジェクトが終わり解散する時はいつも寂しいですね。ですが、その後に着任したプロジェクトで、以前同じプロジェクトで働いた仲間と再会し、仕事をする機会に恵まれるケースもあり、それもまた面白いことだと感じています。

余さんインタビューカット2

――どんな時にやりがいを感じますか

比較的に若いうちから大きな裁量を与えてもらえたことは、今も仕事のやりがいにつながっています。入社3年目には私が初めて開発を担当したシステムをプロジェクト現場に持ち込み、4年目以降は世界各国の多国籍なメンバーから成るチームを引き連れて大型プロジェクトのDX推進を担当しました。その際に、過去に一緒に仕事をした方を自分のチームに引っ張ってきたり、自分が必要だと思う人材を外部から採用したり、ゼロから自分のチームを築き上げてプロジェクトを成功させたことは、大きなやりがいに感じました。

海外駐在中の生活について

余さんインタビューカット3

――海外駐在中の生活について教えてください

私が駐在した国はアジア圏でしたが、オーストラリアやクウェート、アルジェリアに駐在した同期もいます。なかなか観光では行かないような場所で暮らすことができるのも特徴かもしれません。

海外駐在中は基本的に建設現場に入るので、「1日8時間プラス残業」×週6日勤務になります。短期スパンではハードに感じられるかもしれませんが、3・4ヵ月に一度、9~12日間の連続した休暇を取得できる「一時帰国休暇制度」を利用して帰国できるため、オンオフのメリハリのある生活を楽しんでいました。

昨年まで駐在していた中国では、他の駐在メンバーとたこ焼きパーティーをしたことや、コロナ禍で例外的に駐在地での中期休暇が認められたので中国各地を旅して回ったこともとても良い思い出です。


――海外駐在と国内にいる期間の比率はどれくらいですか

私は、システムの開発と運用を日本と駐在先で繰り返してきたので、トータルキャリア6年間のうち海外駐在が4年、日本にいたのは2年でした。

ですが、部署や業務によって海外駐在の比率は異なります。建設管理がメインであれば、私よりも海外駐在の比率が高い方もいます。反対に、プロジェクトのなかでも設計や調達業務を担当する場合や、私と同じIT業務でもシステム開発や運用保守を担当する場合は、日本での仕事の比率が高くなるかと思います。

入社を決めた理由

尾崎さんワンショット1

――就職活動の「軸」は何でしたか

私は中国出身ですが日本に長く住んでいたことから、ひとつの国にとどまらず世界を舞台に、そして世界中の人々と携わる仕事がしたいと思っていました。大学では機械工学を専攻していたためものづくりにも興味があり、それらを掛け合わせた「海外×ものづくり」という軸で企業を探していました。


――日揮グローバルへの入社を決めた理由を教えてください

日揮グローバルでは多国籍の社員が働いているだけでなく、時には世界各国の競合他社とタッグを組んでプロジェクトを遂行するなど、多様なバックグランドを持つ人々が総力を結集して、世界各国で巨大なEPCプロジェクトを遂行していることを知り、それが「海外×ものづくり」という私の希望にマッチしていたことや、「グローバルで風通しの良い社風」にも魅力を感じ、入社を決めました。

入社からのキャリアパス

――最初に配属されたのは、建設部だったそうですね

はい、その通りです。プラントが建設される過程を自分の目で見て肌で感じたいと思っていたため、建設部を希望していました。入社後の集合研修が終わり、希望通り建設部に配属された2週間後にはマレーシアに赴任し、LNGプラントの改修工事プロジェクトの現場に入っていました。

入社して初めての現場ということもあり、そこでは鉄骨工事や電気工事、計装工事といった様々な部門の建設工事を経験しました。建設管理をするうえで必要となる知識は部門ごとに異なりますが、どの部門にも共通していたのが「情報を正しく管理する」ということでした。この気付きがきっかけとなり、建設管理におけるデータやITに興味を抱くようになったんです。


余さんインタビューカット4

――システム開発に携わるようになった経緯を教えてください

1年半の駐在を終え本社に戻った時、私がマレーシアのプロジェクトで使用していたCMSを、今度はユーザーの立場から開発してみないかと声を掛けられたことがきっかけです。当時は建設部内にシステム・アプリケーションを開発するチームがあったため、私のITシステム開発のキャリアはそこからスタートしました。

その後、組織の改編があり、所属は建設部からDPD部に変わりましたが、入社2年目から現在までの約6年間、建設管理システム群の開発・運用に携わり続けています。


――最初に開発したのはどのようなシステムでしたか

開発期間が半年ほどの、配管工事の耐圧試験管理のためのシステムでした。まず既存のCMS内のデータ構造を理解し、「課題を解決するためにはどんな機能や要件が必要か」という点を掘り下げ、要件定義からデータベース設計、画面設計まで進めていきました。

アプリケーションの開発はイギリスの協力会社と共同でおこない、この開発業務を通して、プログラマー視点での考えや思いを学ぶことができたのはとても良い経験だったと感じています。

ちなみに開発が終わった後は、耐圧試験管理をおこなう責任者としてインドネシアのプラント建設現場に着任しました。そこで私が開発した耐圧試験管理システムの有用性を自ら実証し、耐圧試験をスケジュール通りに完遂することができました。

余さんインタビューカット5

――これまでの仕事のなかで、特に印象に残っている出来事はありますか

インドネシアから帰任したあと、プロジェクトの建設管理全体を統合管理するための、さらに大規模なシステムを開発・運用しました。これが社外でも評価されたことが特に印象に残っています。

このシステムが完成してからは中国へ赴任し、実際の建設現場に導入をして運用の保守やユーザー教育などをおこないました。

運用が軌道に乗ると、プロジェクト全体の建設工事データを俯瞰的に可視化し、現場で起きたトラブルやリスクに対する評価や分析をおこない、スケジュール通りの建設遂行に尽力しました。

日揮グローバルがこれらのデータを最大限に活用し、石油・ガス業界による注目も集めていた大型プロジェクトの建設遂行を成功させたことは、世界的にも高く評価され「 2022 AWP* Project Award 2022」を受賞することができました。これまでの自分のキャリアのなかでも大変嬉しい出来事です。 

* AWPとは:Advanced Work Packagingの略称で、建設工事の生産性向上・コスト削減を第一目的としたプロジェクトマネジメント手法。2011年に米国CII(Construction Industry Institute)が提唱した。

私はシステム開発から現場への導入、運用・保守、システムを活用したデータ分析まですべてのフェーズを担当していたので、喜びもひとしおでしたよ。

IT技術の教育体制

2人が向かい合って話している2

――ITの知識はどのように習得されたのでしょうか

入社後にOJTで習得をしました。日揮グローバルでは昔からCMSを導入してデータに基づいた建設管理をおこなっており、建設プロジェクトの現場にはITに詳しい方が必ずいたので、あまり不安はなかったです。建設管理の過程においてCMS内に蓄積された建設データを分析する際には、SQL(データベース言語)の使い方も学びました。どのような視点から建設データを見れば正しい意思決定がおこなえるかというところまで、実際の現場でしっかりと段階を踏みながら身につけてきました。

DPD部では現在、ITシステム開発人材を育成するプログラムとして、「フルサイクルエンジニア養成講座」を実施しています。この講座では、約半年間をかけて「システムアーキテクチャ」、「データモデル設計」から「データベース構築」、「フロントエンド開発」まで、Webアプリケーションの開発プロセスをゼロから習得することができます。また、社内では読書会、データサイエンスに関する勉強会などが開催されていますし、受けたい外部研修は比較的自由に受けられる環境でもあります。


――現場で自分の力だけでは解決できない課題に直面した時は、どうしていますか

日揮グローバルには、様々な分野のプロフェッショナルやスペシャリストが大勢います。そのため、自分の抱えている問題を相談できる相手を見つけることが可能です。私にとってまだまだ知識不足の分野はたくさんありますが、社内の様々なスペシャリストに助けてもらいながらプロジェクトを進めていける点は、非常に心強いですね。

インタビューを終えて

尾崎さんワンショット2

日揮グローバルにおけるシステム開発は、開発して終わりではなく「システムを導入、運用し、効果実証するところまで」当事者として携わることができるというお話が印象的でした。

また、海外プロジェクトの現場に限らず国内業務においても、多様な国籍・文化背景をもつメンバーや、様々な分野のスペシャリストとともにプロジェクトを進めていく、日揮グローバルの仕事のやりがいを改めて感じる機会になりました。

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サステナビリティハブ編集部
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