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【わたしの仕事と日常 #03】家畜糞尿からのバイオメタン製造(仕事編)

インタビュー 企業×サステナビリティ 働き方 日揮グループの紹介 再生可能エネルギー カーボンニュートラル
目次

日揮ホールディングス(以下、日揮HD)では、サステナビリティ関連の新事業の創造を担うため、2019年10月にサステナビリティ協創部(現サステナビリティ協創オフィス)を新設しました。今回の記事では、サステナビリティ関連の新規事業の創出に向けて奮闘する14年目社員に、その事業や業務の内容、やりがいを感じる瞬間などについて話を聞きました。(インタビュアー:サステナビリティハブ編集部) 


プロフィール

「家畜糞尿からのバイオメタン製造」事業とは?

――髙嶋さんは現在、サステナビリティ協創オフィス(SCO)でどのような事業の新規開発に取り組んでいるのでしょうか。

家畜の糞尿などを原料にしたメタン発酵プラントで、希少な国内ゼロエミッション燃料であるバイオメタンを製造し、それを都市ガスの原料としてガス事業者に提供するとともに、その環境価値を都市ガスユーザーに提供する事業です。 

この事業を通して、①自治体や企業が直面している“2030年までの低・脱炭素化”と、②畜産事業が苦しんでいる“糞尿処理の労働力・時間的負担の削減” という2つの社会課題を同時に解決し、国内畜産業の持続可能な成長をサポートすることを目指しています。 


 ――この事業が解決する2つの課題について、それぞれの背景を教えていただけますか。

女性が話している写真①

日本政府が宣言している「2050年のカーボンニュートラル達成」の中間地点にあたる2030年に、各企業は意欲的な目標を掲げています。電力の脱炭素化は、太陽光発電などの再エネ電源の導入や再エネ電力由来の証書の取得によって達成できますが、難しいのは熱の低・脱炭素化です。省エネや設備の熱源を化石燃料から電力に変換していくのにも限界があるため、水素やアンモニアといったゼロエミッション燃料への期待が高まっています。ですが、価格やアクセス性を考えると2030年にどこでも誰でも入手できるようになるには、まだまだ課題があると認識しています。 

一方、畜産業界では零細畜産事業者が淘汰され畜産事業者の大型化が進んでいます。これまでは家畜糞尿は堆肥化して近隣の田畑で利用していたのですが、大型化した牧場から出てくる堆肥量に見合う面積の田畑が確保できず、堆肥の散布先を求めて隣県までトラックを2時間走らせることもあるといいます。糞尿の堆肥化、堆肥の貯留、堆肥散布先の確保、堆肥の運搬に至るまでの一連の作業を畜産事業者がおこなっており、糞尿処理にかける労働や時間が本来の畜産の仕事を圧迫し、後継者問題にまで大きく影響を及ぼしているのが現状です。 


――本事業では、日揮グループのどのような既存技術や知見が活かされているのでしょうか。

“メタン発酵”自体は成熟した技術で、日揮グループの得意分野とは異なります。そこで今回の事業では、当社は設備建設をおこなわず出資を含めた事業主体として関わります。これまでオイル&ガスプラントのEPC(設計・調達・建設)プロジェクトで培ってきた、ガスやユーティリティ設備の技術的知見やガス事業者とのコネクション、国内事業の顧客との関係を活かして事業を構築できるのが、当社の強みです。 

バイオガス(バイオメタン)を利用したFIT発電事業者は多数いますが、バイオメタンやその環境価値を提供している事業者はかなり少ないため、早期参入を目指しています。

関係者をつなぎ、事業化を進める仕事

――髙嶋さんはこの事業において、どのような業務を担当されているのでしょうか。

女性が話している写真②


本事業は現在、投資決定に向けて事業性を検討しているフェーズです。私はプログラムマネージャーとして、事業化に向けて必要不可欠な現地パートナーとの強固な信頼関係を基に、官公庁や地元畜産農家、バイオメタンの注入先である地元ガス事業者など含めた関係者と協力関係を構築し、建設予定地の特定やメタン発酵プラントのフロー選定、原料調達、バイオメタン販売先、など必要なパーツを関係者の方々と確実につないでいく業務をチームメンバーとともにおこなっています。 


――業務を円滑に遂行するにあたって、習慣にしていることはありますか。 

これはエンジニアをしていた頃からの習慣ですが、常に情報が更新されていくので、「いつ、誰が言ったのか」という情報の出元をはっきりさせておくように気を付けています。さらに、新規事業開発に携わるようになってからは、ヒアリングのメモに要点だけではなく、発言者のニュアンスを含めてなるべく残すようにして、引っかかる点があれば丁寧に聞き直すようになりました。エンジニア時代と違い、バックグラウンドが異なる業種の方々とお話しすることが増えたので、認識に齟齬が生まれないように意識しておこなっています。 

業務における苦労とやりがい

――業務を進める上で大変だったのはどんなことですか。

この事業はデスクトップ調査からスタートしたため、事業化に向けて一緒に頑張ってくださる畜産事業者さんに出会うまでは大変苦労しました。畜産事業者さんの実際のニーズがわからないと進むものも進まない、というところで行き詰まっていた時、以前当社グループに勤めていた方からお声がかかりました。その方のお父様が勤める地元の精肉会社の社長さんが、地元の畜産業の存続のために糞尿処理を持続可能なビジネスの形にできないか検討しているので当社を紹介してもよいか、という内容でした。こちらとしてはまさに渡りに船のようなお話で、そこから事業化に向けて大きく動き出しました。 

当社としてはこれまで畜産業界とはお付き合いがなかったため、初めてのことだらけで最初は驚きの連続でした。ですが、密にコミュニケーションをとりながら信頼関係を築き、今ではかけがえのないパートナーとして二人三脚で事業化に向けて奔走しています。 


――SCOでの仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか

女性が話している写真③

事業の開発を進めていくにあたって、前職のプラントエンジニア時代と比べて、幅広いジャンルの方々と直接対話する機会が多くなりました。畜産業界の方、バイオマス発電事業者さん、地方のガス事業者さん、食品加工の工場の方、自治体など、実に多岐にわたります。実際にお話ししてみると予想外の展開になることも多く、良い意味で裏切られるのが面白いですね。 

事業を成立させるための構成因子が多いことは頭が痛いですが、一つずつ当たっていって最適な事業の形を組み上げていくところにやりがいを感じます。前例がないことばかりなので、一つひとつ自分たちで決めていく必要があるのが大変でもあり、醍醐味を感じる部分でもありますね。 

まとめ

今回の記事では、サステナビリティ関連の新規事業「家畜糞尿からのバイオメタン製造」の実現に向けて奮闘する日揮HDの社員に、仕事の内容ややりがい、新規事業開発の面白さなどについて聞きました。学生時代や、プライベートの過ごし方などについてのインタビュー後半は、こちらの記事をご覧ください。

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サステナビリティハブ編集部
サステナビリティハブ編集部

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